福田康夫の最後のメールマガジン

時間のそれぞれのスパンを見据えた計画バランスよく立てて、国民の人の幅的にも時間の幅的にももっとも満足度の高いものにしていきたいと言っているように聞こえるけど、これって政治家としては当たり前で、さらにそのことを言葉で言わないで実行して人を感動させるのがもっとも重要なことだと思う。もっともそれは当たり前ではあるけど果てしなく難しいことだけど。


福田首相は政治家なら本当は言うべきでないことを最後に捨て台詞的に言ってしまったように思うし、それだからやっぱりだめだったのかなと思った。内容的には真っ当なことを書いているかもしれないけど、こんなことを書いたところでマスコミや国民は感動も満足もしないんだよね。

次はどんな人が首相になるんだろう。そして次の選挙ではどんな人を選んだらよいのだろう。

 ありがとうございました。福田康夫です。

 日本の古人の好んだ言葉に、「永遠の今」という表現があります。

 「過去のものは古いと蔑み、今のものは新しいと愛でる、しかし今の新しさが真に新しければ、その新しさは必ず時間を貫いて、いつまでも新しい。」

 1万年前の人類は、今と全く同じ太陽を見ています。海辺へ打ち寄せる波は一つとして古いものはなく、常に新しい波です。千数百年前の日本人と今の日本人は、今も昔も変わることのない、常に新しい伊勢神宮を見ています。

 太陽と海と伊勢神宮、この三つは、宇宙、自然、人が創ったもの、この違いはありますが、永遠の今です。

 私は、政策を立案する際、この「永遠の今」を想うことがありました。

 万人にあたたかい政策を途切れさせてはならない。万人のために常に新しい政策を提供しなければならない。政策が決して古くならないよう、いつも新しくあるよう、手入れを怠ってはならない。

 政策としてのアンサンブルが「永遠の今」を奏でている、このことを決して忘れてはならない、と思ったからです。

 立場上、政治とは何かとよく聞かれますが、「当たり前のことを当たり前に誠実に積み重ねていく」、常にこう答えています。

 国民の皆さんに提示し、そして実行する政策は、今だからこそ必要な即効性に富んだもの。近い将来に有益なもの。10年未来、100年未来の日本と日本国民に寄与するもの。そして、日本だけではなく、諸外国との関係をよく考慮したもの。

 政策にはアンサンブルが求められる、これが必須の条件だと考えています。

 私は、月曜日、総理大臣の職を辞する決意をいたしました。それは、国民の皆さんのための政策をより力強く進めていくためには、新しい体制を整えるべきであると考えたからにほかなりません。

 この1年間、メルマガを通じて、読者の皆さんからたくさんの率直な声をいただきました。今振り返れば、厳しいご批判も、温かい励ましも、毎週寄せられるご意見は、私が政策を進めるための大きな原動力でありました。

 今はただ、読者の皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。1年間のご愛読、本当にありがとうございました。